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理事長のブログ

「立派になりたい」 ~できるだけ素直な気持ちとセミブラフでつづります~

2.平等と公平と酢豚

2020-05-14
みなさんはなんでも平等にするのが良いと思いますか。
 
均等や平等を理由によく議論になります。
僕は平等という言葉はあまり好きではありません。
平等が本質的に良しとするなら、すべて同じ給与になるでしょうし、同じご飯の量で、同じサイズの服になりますね。つきつめると、ですよ。間取りもすべて同じ家に住むとか?
 
平等なのは時間だけでしょう。法律もかな?
 
マスク二枚と給付金は平等か。
 
福祉施設には厚労省よりマスクが早々に届きました。これは平等ですかね、特別ですかね?
 
(※マスクのたくさんの方々からのご寄付について、別のブログで感謝の気持ち伝えます。ありがとうございます。)
 
簡単なことだし真理なのに、利用者さんへのサービス提供について、なぜか平等じゃないから問題だ、という意見が出てしまいます。もちろん、それは利用者さんへの熱意がある証拠だと思います。
 
頑張って結果を出す人が報酬が高いのは当然でしょうし、体の大きい人が、ご飯の量が多くて当然ですね。利用者さんなんか、少食の人に平等の量のご飯を持って行って、残したとなれば、頑張って食べましょうとか声かけして、業務日誌に○○さん〇割残す、と書いたり?平等に同じ回数だけ遊びに出かけたり?同じ金額だけ買い物したり?それはやはり無理がある話だと思います。もちろんみんなそれを知っています。
 
平等かどうかの議論はたいてい意味がないことが多いと思います。この世は時間以外、不平等なのだから。
 
こういう話になったとき、公平かどうか、という議論に置き換えます。そうすることで、わりと良い議論に変わり、みんな納得の結論になります。
 
たしかに、一つひとつを見れば、確かにこのサービスは、ほかの利用者さんに提供されていない、ということもあるかもしれません。それを平等ではないというと、そうです、その通り。
 
でも、サービスって、一つだけじゃないのでね。
 
無数のサービスの提供によって、トータル公平なサービスにたどり着くと思っています。その全体を見る目をもって、すべての利用者さんに行き届いたサービスになればよいなと思っています。
 
ずいぶん前の話ですが、
僕の大好きな酢豚が施設の給食に出たんですけど。
 
僕のお皿にはたくさん入れてくれたんですけど、お肉が一つしか入ってなかったんです。
 
ん?と思いました。分かってもらえますよね。
 
ほかの利用者さんにもこんなことがあったらまずいな、と思います。それぞれ体格に応じて量は違っても、野菜とお肉の配分がここまで極端に偏っていればちょっと問題だなと思うわけです。お肉いくつずつ、ニンジンいくつずつ、入れてください、なんていうことを言っているんではないですよ。
 
利用者さんはなかなか言葉に出せないですし、もし我慢して野菜しかない酢豚、もはや酢豚味の野菜を食べられていると想像してしまうと心苦しいわけです。
 
これは厨房に言わないと、と思って、「僕のお皿にお肉一つしか入ってなかった、野菜ばっかでしたよ。」と伝えましたら、「ごめんね、以後気を付けますね。」と、お互い、にこやかに話をしました。
 
次の酢豚の日がやってきました。
 
 
なんと、お肉しか入っていなかったんです。
 
 
「あれ、以前の話覚えてます?」「もちろん!前は野菜ばかりでごめんね!これはお詫び!」と言われました。あれれ。
 
 
完全に僕が食いしん坊の人で伝わってました!
 
 
当たり前ですね、お肉なかったよ!って言っただけですからね。
これは僕が悪いです。母親に「もっと肉入れてよ」という感じで言っただけですからね。
 
「思いを伝える」のは「相手がどうとらえるか」を考えないと、すれ違います。
お互い気をつけましょうね。
 
※厨房のみなさんには、個々に応じた調理法を工夫してくださったり、なによりいつも、おいしいご飯ありがとうございます。感謝しております。
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