春名部長の「イチブトゼンブ」
14.The Loose

13.HOME
「ありがとうって思うことの方が断然多いのに、どうしてもっとうまい具合にはなせないんだろう。」
B‘zの25枚目のシングル、「HOME」の歌詞のワンフレーズです。
1998年の作品で、発売された当時はまだ学生をしていました。シングルCD(懐かしい響き。若い人は??ですかね)は買っていなかったのですが、後日発売されたベストアルバム、「treasure」での思い出が強いです。
でも、宝物を探す、いい物、いい所を探すのって難しいですね。どうしても人間って、悪いところばかりに目が行ってしまう生き物だと思いませんか?
ポジティブな人は違うかもしれませんが、自分ではこれができてない、うまくいかないのが嫌になる。
他人にこうして欲しいのにしてくれない、伝えたのにうまくいかない。そして苛々…
仕事の中でもやっぱり、できてないこと、ミスや抜けなんかばかりを気にしてしまい、
「ダメだ~」と失敗したことばかり覚えていないでしょうか。
「なんでできてない!?」と失敗にばかり、目が行きがちではないでしょうか。
本当は「ありがとうって思うことの方が、断然多い」のかもしれないのに。
見えていないだけかもしれません。あちこちにあるのに。
気付いていないだけかもしれません。そこで今まさに行われているのに。
「イイネ レポート」
パレット会でそういった「ありがとうって思うこと」を見逃さないように、みんなで共有できるようにと始めた制度です。
先程も触れましたが、仕事をしているとついつい、悪いことばかりに意識が行きがちです。
でも、逆にいいこと、イイネ!もいっぱいあります。それを探して、それに気づいてみんなで共有する。
こんなことがあって嬉しかった。
こんな言葉を掛けてもらってやる気がでた、気持ちが救われた。
過去にあったこんなこと。
○○してもらって助かった。
あの配慮、見習いたい!などなど。
目線を変えるだけで気持ちも体も軽くなります。仕事も楽しく、前向きになります。

12.Don‘t Leave Me
コロナ感染拡大の影響もあり、新年度が始まって、怒涛のように毎日が過ぎていきました。
まさに、光陰矢の如し。時間はどんどん過ぎていきます。時代やニーズ、対応も刻一刻と変化していきます。
パレット会の支援も大きく変化する必要がありました。もちろん、原因はあの暴行事件です。
職員配置、時間帯にもよりますが、特に夜勤者は一人で利用者の方の対応をすることがほとんどでした。多動で筋肉質。俊敏な動きで、急に気になって職員に向かってくる利用者の対応をする時であっても、今まででしたら基本、職員は1名で対応していました。
しかし、その体制、対応方法であの事件が起きてしまいました。どうすれば、再発を防ぐことができるか?
一人で対応することで、急な行動にカッとなってしまい、暴力という最悪の形で発散してしまった。
一人で対応することで、突発的な行動にすばやく対処することができなかった。
一人で対応することで…
一人で対応しないといけない…
Don‘t Leave Me だれもいない…
「私から離れないで」
対応する職員を一人にしない。対応する時は常に二人で対応することを始めました。
特定の利用者に限られますが、起床介助、食事介助、入浴介助、就寝介助と「おはよう」から「おやすみ」まで、全ての介助を二人で対応しています。
二人で対応することで、急な行動、突発的な行動にも危険を感知し回避することができます。二人で相談することで、効率よく介助することができます。
二人で対応することで、大きな抑止力となります。もう一人の支援者がいることで、自分がカッとなった時、爆発しそうになるのを抑えることができます。ヤバいと気付いて声を掛け合い、その場から離れることができます。
二人で対応することで…
いいことばかりだと思うかもしれません。常に二人で対応しろよと。
ですが、その方の対応を行っている間、他の利用者はどうなるのでしょうか。
夜勤の時間帯に二人で対応するということは、他の利用者は職員がいない状態、すぐに対応することができない状態になることを意味します。そこで事故が起こったら…
「It‘s too late」 もう手遅れですよね。
職員の配置など配慮しつつ対応していますが、正直、現場としてはかなりきつい対応となっています。
ですが、あのような事件を繰り返してはいけない。二度と起こさない。あの胸の痛みを忘れないように、後戻りのないように。
利用者を守るのは当然ですが、職員も守る。身を切り血を流しても、これだけは貫いていきます。

11.RUN
パレット会のソメイヨシノも色付き、美しい花を見せてくれました。
令和4年度、新しい年度の始まりです。
新年度、さあ行きましょう!
ではなく、新年度が始まり、自分たちの支援と向き合い、これからの進むべき道、歩み方を考えていこうと思います。
この荒野をどう走るのか?
傷ついても、心臓破りの丘でも、
走っていかなければなりません。進んでいかなければなりません。
暴行事件が起こった上で、何よりも抑えておかなければいけないことは何か?
自分たちが、今までやってきたこと、基本中の基本を再度、徹底的にやることだと思います。
その基本とはなにか?
それは「タメ口の禁止」です。
初心に帰るだけではなく、完璧に、徹底的にやろうと思います。
そもそも、タメ口禁止にしたことに関しては第2回のブログで説明していますが、虐待防止の第一歩として考えていました。
日々の言葉使いを丁寧にすることで、相手をリスペクトする。
タメ口は身近に感じるかもしれませんが、親しすぎると、そこに甘えや緩みが生まれ、それが虐待に繋がります。
これを徹底していますと言っていましたが、果たして本当に徹底できていたのでしょうか?
ちょっとした気の緩み、なんとなく出る一言を見逃してしまっていました。
これは自分自身にも言えることです。
徹底できていれば、プロフェッショナルとして、利用者の方をリスペクトすることができ、最後の最後に踏みとどまることができるはずです。
これからパレット会は、
飛べるだけ飛ぼうと決めています。
地面をしっかりと踏みしめて。
それは我々と同じ考え、思いを持った心開ける仲間と一緒に飛び立ちたい。
再度、基本中の基本、本質をおさえてリスタート。
よくここまで来たもんだ!
と自分たちで笑い合えるように、そのためにも新年度気持ちを引き締め「RUN]走りたいと思います。

10.BAD COMMUNICATION
ホーム画面にもありますが、当施設の職員が、利用者への暴力を振るうという事件を起こし、逮捕されました。
これまでの信頼を失う様な事件であり、利用者、保護者の方のご期待に沿えなかったことを心よりお詫び申し上げます。
パレット会の信頼は地に落ちました。今までの努力、実践してきた事すべてが破壊されてしまいました。職員の気持ち、メンタルも破壊され、何もかもが破壊され尽くしたと言えるでしょう。
ですが、我々は先に進まねばなりません、前を向いて歩いていかなければなりません。
地に落ちたパレット会の信頼、もう最低な所まで落ちました。これ以上ないというくらい落ちています。
そこから這い上がる。最悪から一歩ずつ、確実に進んでいこうと職員一同、頑張っています。
そこでも必要となってくるのがコミュニケーションです。とても大事な事で、利用者の方とのコミュニケーションで気をつけていることがあります。
ここで問題です。
「〇〇さん、話があるから来て。」
「はい、じゃあちょっと待ってくださいね、すぐ行きますから。」
この会話はGOOD COMMUNICATIONでしょうか?BAD COMMUNICATIONでしょうか?
答えはBADです。
このような会話は日常よくあるので、問題ないと思われるかもしれませんが、利用者の方にとって「ちょっと」や「すぐ」と言う言葉は見通しが立ちにくい言葉になります。
「ちょっと」とはどれだけの時間なのか。「すぐ」とはどれくらい待つことになるのか。
分からずに不安になってしまい、何度も確認したり、待ちきれずに声を出したりしてしまうこともあります。
ですので、いつなのかを分かりやすく伝えなければなりません。
「〇〇さん、話があるから来て。」
「わかりました。今手が離せないので、この仕事が終わったら行きます。」
今、行っていることが終わればくると分かりやすく伝えることで利用者の方も安心して待つことができますね。
保護者の方ともよいコミュニケーションをとらないといけません。
信頼関係があってこそ、よりよい支援が行えると言えます。
現在行っている支援や対応が変わった時、すぐに報告する。怪我の報告もしっかりと。コロナ禍の現在は、保護者の方とも面会等を制限させて頂いているので、状況もお知らせしないといけません。電話やブログでも紹介したパレットだよりで日々の様子をお伝えします。
信頼関係があってこそ、なのです。逆に信頼関係がないと全く進んでいきません。
私たちが現状、このように対応しています。こういうことに困っているとお伝えしても、全く話を聞いてくれなかったり、お伝えしてもどうしても納得してもらえない、話の結論がでないことがあります。
本人の行動を抑えるな、制止せずに納得いくまでやらせて欲しい。薬なんてとんでもない!!
利用者を思ってのことでしょうが、他の利用者の迷惑になることでも、職員のメガネを壊しても、制止できません。止められることでより強い動きとなります。職員はただ納得し、落ち着いた後の処理をする。職員にもしものことがあっても対応が悪いからとなります。メガネ等、気になるものをつけているのが悪い、もっと配慮して下さいとなります。
保護者様の理解がないと正直やるせない気分になります。
医療についても同様です。我々は支援と医療は密接不可分と考えています。
支援と医療の車輪が噛み合うことが、なによりも大切だと考えています。
医師に利用者の状況を分かりやすく説明し、現状の困っていること、試していることを伝えます。その情報を元に、医師が必要な処方を行います。
こちらも、やはり理解してもらえないとどうしようもありません。支援だけではうまく車輪は動かない。前に進むことができません。私たちの支援が気に入らないと、車内での表情を見るだけで話を聞いてくれさえしない方もいらっしゃいました。
そうなると利用者の方への支援も滞ります。止まってしまいます。場当たり的な対応しかできません。職員も疲弊しますよね。
今回はタイトル通りのBAD COMMUNICATIONばかりの説明になってしまいましたが、本当にある事例の説明です。
私たちは時に難しい、人と人との関係についても考えながら支援をしています。
BAD COMMUNICATIONではなく、GOOD COMMUNICATIONを。これからのパレット会、先に進んでいく為にも、GOODをもっと増やしていく。
そうすればまさに順風満帆day!! ホンネ押し殺して、夜が明けるまで悩まなくていい。
Wow、wow、wow、wow、wow、wow、wow、BAD COMMUNICATION!!! じゃない。
GOOD COMMUNICATION~!!で、かけがえのないものを作るため、前を向いて頑張っていきます。
